この記事は、自作キーボード Advent Calenderの21日目の記事です。

昨日の記事は、ひでんさんの、Let’s Splitで自作キーボード入門したので、I2Cで遊んでみたでした。

去年までのキーボード

そもそも、筆者は自作キーボードをはじめる前はHappyHackingKeyboardを使っていた。

アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、
どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。
馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、
生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。

(引用元: HHK公式サイト)

高校生の頃に、この文章を読んで以来ずっとメインではHHKを使っていた。 社会人になってからはPro2墨無刻印を買って使ってた。 HHK Proは良い値段するが、10年近く使ってきたので、 1年あたりで考えると良い買い物だったと思う。

HHKで満足していた筆者が、キーボードを自作したいと思ったのは、 約10年前に、バトルプログラマーシラセというアニメをみたからだ。 1話の冒頭、主人公のシラセは自作のキーボードを使ってチャットしていた。

BPSキーボード

(引用元: バトルプログラマーシラセ 1話 秋月郁がシラセに仕事を依頼に来るシーン)

調べた所、このキーボードはChorded keyboardというタイプのものと判った。 その時に、作ったのがこのキーボード。 本体は紙粘土、コントローラはPIC18F2550、スイッチはタクトスイッチ。 PICはボードじゃなくてチップ単体でも1000円ほどした。

proto1 keyboard

一ヶ月ほど練習したが、キーマップが覚えられなかったのでお蔵入りした。

次にマイ自作キーボードブームがきたのは、 同僚でキーボードを自作した人がいるのを発見した時だ。 同僚のキーボードは、スイッチはCherry、 PCBは自分でエッチングしてドリルで穴をあけているという話だったと思う。

真似しようかと思ったが、 当時の値段でCherryMXスイッチを100個買うと結構な値段になるので、あきらめた。

代わりに作ったのが、この1ボタンキーボードだ。

one keyboard

ケースは見ての通り百円均一で売っているライト。 スイッチのクラッチを外してオルタネイトをモーメンタリにかえてある。 中身はATTiny2313、ハードウエアUSBはついていないが、 V-USBというライブラリでUSB1.1で通信できる。 材料費計500円ぐらい。

この時に覚えたこのV-USBライブラリは、これ以降もHIDデバイスなどを作るのに役にたった。

2017年のキーボード

Let’s split

それから5年ほどErgodoxを買う同僚を横目に、HHKを使い続けていた。

そんな時、okapiesさんのplanckの記事の記事を見て、 激震が走った。

フルサイズのキーボードを作るのは、 根気的にも金銭的にも難しいと思っていたが、 このキーボードはたった48キー。 十分自作できる。

早速、okapisさんと連絡をとり色々話を聞いた。 聞いたり調べた情報はQiitaの記事にまとめた。

let's split

ケースは3Dプリンタで印刷する事にした、 この場合、Plankでもサイズがでかいので、Let’s splitで行く事にした。 キーはGateronの茶軸。キャップはDSAプロファイル。 コントローラはPro Micro2つで、今年のキーボードの標準構成だ。 配線は手配線。

let's split build

(こちらに作りかけの写真がある。)

Nyquist

レップリを使いはじめて思ったのは、

  • 記号の入力にシフトを使うのは結構大変。
  • メカニカルはうるさいと聞いていたけど、そうでもない。

という訳で、一列多いnyquistキーボードを青軸で作ってみる事にした。

compare

奥にあるのは、HHKとレップリ

今回は、筐体をレーザーカッターで切って作るのに挑戦した。 あとはだいたいおなじ。

nyquist back

親指の所に1個増やしたのがチャームポイント。

作ってみた所、思ったほどは4段目は使わなかったし、 青軸はさすがに仕事場で使うのにはうるさすぎたので、 今は自宅で使ってる。

2018年のキーボード

さて、ここ1年でキーボードを作った感想から来年の抱負とトレンドを考えたいと思う。

パーソナライズ

まず、一つの方向性としてやりたいのが、更なるパーソナライズだ。 そもそも何故キーボードを自作したいと思うかというと、 自分にピッタリあったキーボードを使いたいという理由からだった。

例えば、自分は腰痛がひどいから、 セパレート式のキーボードを使いたいと考えるとか、 (ゆかりさんが触れていた) 自分は手が小さいから、キーの数が少ないキーボードを使いたい、とかだ。

それを更に推し進めていくと、自分の指1本1本にあわせたキー配置を考えた キーボードを作って使うのがゴールに近いと思ってる。

まずは最初の一歩として、 手を机の上に広げた所を写真に撮り、それを下敷にしてキーを配置する、 そういった事をやってみても良いのではないかと思ってる。

自作

もっと別の方向性として、システム内の自作割合を上げるという方向も考えたいと思っている。

今はキーボードだけを自作しているが、人によってはポインティングデバイス追加してる人がいる。 本当に使いやすい環境を目指す事を考えると、改良の対象はキーボードだけで済まないはずだ。

最近の自作キーボードではキーボードに画面を搭載しているものも出ている。 またBluetoothなどで通信できるものを自作している人もいる。

これらをあと1歩推し進めれば、キーボード単体で動作するコンピュータが作れるのではないかと思っている。 まずは、PC-8201のような形状の物を作るのは今でもできそうだし、 ポメラHemingwriteのように、メモ書きをして使う物は作れるのではないかと思う。

まとめ

来年もはりきってキーボードを作っていきましょう。

明日は、t_kikumotoさんの記事です。

この文章は、自作Nyquistクローンで書きました。