Dell mini12のセットアップ2016年版(ドライバ編)
DellのMini12は、Ubuntu搭載Netbookで、私は2009年ごろに購入した。 標準搭載されているだけあり、ドライバも用意されUbuntuでも問題なく動作していた。
しかし、Ubuntuのアップデートを行った所問題が発生した。 用意されていたドライバのうちintel製GPUであるGMA500のドライバは、 クローズドソースであり、特定のバージョンのXでしか動作しなかった。 そのため、Xのバージョンをダウングレードしたりするなどの回避が必要だった。
数回のアップデートの後、Ubuntuのアップデートに嫌気が差して、Debianを使う事にした。 Debian squeezeをインストールして使っていたが、これの延長サポートが今月切れる、 そのため、今月中にはアップデートするか別のオペレーティングシステムに移行する必要がある。
このPCは6年も前の物である上にネットブックなので、 なるべく軽量なOSが良い。 ここでは、TinyCoreLinux(以下TCL)をインストールする事にした。
用意されているパッケージのリスト(以下TCE)を見ると少ないが、 まあ、自分でコンパイルしろってことだ。
グラフィック
まず、一番問題であるGMA500をかたづけたい。
なんと、TCLはXorgではなく、xvesaを使ってGUIを表示している。 xvesaはVESA biosを使って画面表示をしている。
TCLインストール直後では、XVGA(1024x768)でxvesaが起動する。 液晶パネルは1280x800なので、縦横比もおかしいし、ぼやけて見える。
調べてみると、xvesaはVESA biosから解像度を取得するが、 Mini12のBIOSには、VGA、SVGA、XVGAのみがリストアップされており、 正しい解像度である1280x800はモード一覧に載っていないようだ。
BIOS内の事だからどうしようもないかと思ったが、 ホットフィックスをあてる915resolutionというツールがあった。
TCEでは、915resolutionは標準のパッケージに入っていた。
ここでは、onboot.listに915resolutionを入れた上で、
/opt/bootlocal.shに、
915resolution 30 1280 800 24
という行を追加して毎回起動時に実行する。
サウンド
Mini12はRealtek ALC269というサウンドチップを持っている。
alsaパッケージとalsa-configパッケージをインストールしたら、とりあえず動いてる。
サスペンド
とりあえず、echo mem > /sys/power/state
したところ、サスペンドからレジュームできなかった。
このページでは、acpi_osi=Linux
をカーネルの起動オプションにしていたので、
習って設定してみた。正常にサスペンド/レジュームできる。
ひょうしぬけ。
電源ボタンとか、画面閉じでサスペンドしたい場合、acpidというパッケージを使える。 と言っても、設定ファイルは用意されてないので自分で用意する必要がある。
皆大好きArchlinuxの日本語説明を見ながら、 src/usr/local/etc/acpi/events/anythingファイルとsrc/usr/local/etc/acpi/handler.shを用意する。 バックアップファイルに置いてもいいけど、今回はこのファイルを入れた専用のTCEを用意した。
Wifi
Broadcom社製のBCM4312チップが搭載されているようだ。
Linuxカーネルとしてはb43ドライバが使えるはずだが、 別途ファームウエアを用意するように、 というメッセージがカーネルメッセージに出てくる。
ファームウエアの準備に関してはこのページが詳しい。 ファームウエア入りのプロプラドライバがそのページからダウンロードでき、 TCLにパッケージとして収録されているb43-fwcutterコマンドを使って、 ファームウエアを抜き出せる。
できたファームウエアは/usr/local/lib/firmwareの下に置くといいようだ。 例によってTCEを用意した。
Wifiの接続にはwifiパッケージが使える、
こいつはwifi.shというCUIコマンドを含んでいて、
Wifi接続の設定をメニューできる。
接続情報(パスワードを含む)が平文でホームディレクトリにwifi.dbというファイル名で保存されるワイルドな仕様。
一度保存された後は、sudo wifi.sh -a
でうまいこと接続してくれる。
GUIつきのwicdもパッケージにあるが、dbus関連のエラーがでてうまく動かなかった。 まあ、デーモンだとメモリ食うし、wifi.shで十分かも。
次回
ソフトウエア編に続く。